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最期のアロマトリートメントをさせていただきました。

先日、定期的にアロマトリートメントをさせていただいていた

利用者様がお空へ行かれました。

 

実は、私にとってとても特別な方でした。

 

というのは、私が介護士をしていたときに担当をさせていただいていた

ご利用者様でした。

 

担当者のときは、利用者様のふるさとである世羅へお墓参りに

娘様2人と一緒に帰るという計画をしていたことがありました。

 

周りからも、その利用者様の体力で世羅へ行けるのか?と

心配されて議論もありましたが、ご家族様の熱い思いを

実現したくて、やってみよう!!と、

 

その日のために、日々の生活にもより一層力を入れて、

その日を迎えました。

 

しかし当日はビックリするくらいの大雨。。。

 

急きょ、近所にある温泉施設の劇を見てご飯を食べることへ変更。

それでも、大雨の中での車の乗り降りなどとても大変で。

 

利用者様も、少ししんどうだしご機嫌斜めに・・・。

 

だけど、劇が始まるととてもご機嫌でたくさんお話をされ初めて、

劇中のおしゃべりに皆で他のお客様から苦情がでないかひやひや・・・

 

そんなことも、今となってはとても良い思い出で、笑い話。

 

 

お誕生日には、町へごちそうを食べに行きました。

ご家族様が椅子の高さなど下調べをしてくださって、

ちゃんとお店でも車いすから椅子に座り替えて、

足が床へ着くように手作りの足台を持っていったり。

普段施設では食べられない松坂牛やまつたけを

皆で堪能して、最高なお誕生日となりました。

 

ごちそうの後は、みんなでケーキ屋さんで美味しいケーキで

お茶をして、ケーキが大好きな利用者様は、ごちそうの後だけど

ケーキをペロリ。「凄いねー!!」と驚きでした。

 

介護をやめて独立してからも、ご家族様とも相変わらず仲が良くて、

時々お部屋で3人でおやつを食べたり(女子会という名の)、

アロマトリトリートメントの訪問をさせていただきました。

(やめてからもお付き合いがあるのは本当はご法度なことかもしれませんが、、、)

 

アロマトリートメントを受けているときの利用者様の表情は

いつも気持ちがよさそうで、その表情を見てご家族様と私は

また嬉しくて。

 

この訪問はまだまだずっとずっと続くものだと思っていました。

 

しかし、先月

「実は2週間前から脳梗塞で眠り姫になりました」とご連絡が。

 

「早めにアロマに来てもらえることはできる?今できることは、

触れたり、アロマをしてもらうことだけだから、できることをしてあげたいの」と。

 

行くと、深~い呼吸をしている眠り姫がいました。

管もまったくついてなくて、表情も柔らかくて。

 

介護士時代に、何人もの方の看取りをさせていただきましたが、

こんなに苦しくなさそうで表情も柔らかい方は初めてでした。

 

アロマをさせていただくと、深~い呼吸がさらに深~くなって。

触れてる場所が時々動くのです。

 

触れてるのが分かるんだな。

何か伝えようとしてくれてるんだな。

という感じでした。

 

香りは、使用者様の好きだった「ゆず」の香り。

 

施術の様子を娘さん2人が「ずーっと見ていられるね」と

そばで一緒に見ておられました。

 

わたしも施術後、ずっと利用者様の顔を見ていられて、

ずっと見ながら、娘さんから親子のエピソードを聞かせてもらって。

 

これが最期の施術となりました。

私に介護をさせてくださってありがとうございました。

私に施術をさせてくださってありがとうございました。

私に介護の素晴らしさを教えてくださってありがとうございました。

私に「人の優しさ」「あったかい気持ち」「愛」「生きる素晴らしさ」

をたくさんたくさん教えてくださってありがとうございました。

 

たくさんの思い出、絶対に忘れません。

これからの介護・ケアに絶対に生かしていきます。

お空へ行ったご利用者様へ誓って。    2017.6.3砂川